10月に西伊豆の堤防で偶然出会った親子と、今度は磯釣り入門教室で磯へお誘いした。
あおいくんは年長さんの6歳。しかし彼の魚や釣りに対する情熱や興味は、大人のそれとは違って
考える力や探求心がとてつもなく強い。
4.5mの磯竿を握ったことはないだろうが、そこは今まで投げ釣りやサビキ釣りである程度慣れている。
西風は強く、サラシも大きい中でもめげずに竿を振っていた。
投げやサビキはそれぞれおもりの重みもあって、小さな子供でも魚の感覚は敏感に感じられる。
大きなおもりのお陰で、ラインの張りとなってくれる。敏感に手元のアタリとなって表れるのが楽しい。
だがウキ釣りとなるとそのおもりの感覚はほぼゼロとなる。
フワフワと浮いているウキがアタリの目印となるわけだが、問題は道糸のコントロール。
重みがないことと、風や潮の流れに真っすぐラインを置くことがなかなか難しい。
それが彼の竿の持ち方に表れる。
投げ釣りはおもりがある分竿を立てて待つことができる。
しかしウキ釣りは竿を下向きで待つことが多い。
ラインを風にとらわれないように海面に着けることが必要となる。
ウキフカセは様々なポイントを広範囲で狙えることが最大の魅力でもあるが、
ラインのコントロールが最も邪魔で難しい。
それは大人でも困難で、ラインがが多く出ていると、ウキが沈んでも
なかなか合わせのタイミングもままならない結果となる。
そんな論理ももちろんわからないかもしれないが、彼は見事にメジナを釣り上げてしまった。
海も荒れ、風も強い中の初めての磯でのメジナ。
この後私がクロダイを掛け、これもまたあおいくんに抜きあげていただいた。
それが次の画像。
ウフフ・・・
なんとも頼もしい6歳である。
タイドプールにクロダイを放すと、しばらく釣り竿を持たずにしきりにクロダイの動きや形や色を観察している。
生き物に対する興味は尽きない。ヒレの動かし方や魚の泳ぎ方も、しっかり彼の脳裏に焼き付いていることだろう。
そこには大人の欲は無い。
大人ならば、「今度は俺が」、「次も早く釣ろう」となるに違いない。
しかし子供達はとにかく生き物に対して興味は尽きないのだろう。とくに彼は魚の名前をとてもよく知っている。
潮が上がってくる前に磯から堤防へ移動した。
堤防も濁りがあって、なかなかアタリも薄く、頻繁には釣れなかったが
それでもあおいくんは釣り上げてしまった。
30p近いメジナ。ひとりで餌を付けて、投げて、ひとりで撒き餌を撒いて、アタリを取ってあわせて、
そして抜きあげたのだ。
嬉しいサイズの強烈な引きのメジナ。
シロギスでもトラギスでもタカノハダイでもない、立派なメジナなのだ。
普段は右手でリールを巻いている彼だが、今回はその逆で使いづらかっただろう。
それでもすぐ慣れていたように思う。
それにもまして、彼の写真に写る右手の竿の持ち方が素晴らしい。カッコいいよね。
お父さんもそこそこのメジナを掛けていただいて、ウキフカセを親子で親しんでいただいたと感じる。
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