台風の影響で暑い南風が低い雲と共に入ってくる。湿度も高いが夏の釣りは照り付けられるより楽である。今回は久々の萩田氏と夕刻5時に磯へ入る。まだ明るいうちは木っ端メジナの入れ食いが続く。こんな状況では日が傾くのを待つしかないところだが、ここは日中でもクロダイが狙える所。
左から右へと潮が流れる中で、正面に撒き餌を打つ。しばらく木っ端メジナをその場所から左へ足止め状態で多めにこませる。そして右の潮が効いていない場所へピンポイントで少なめに撒き餌をコントロール。1投目にウキを沈めたのは良型のベラ。ここにはメジナが居ない事を確認した上で、2投目の前に正面へ多めのメジナ用の撒き餌をした後、再度右へピンポイント遠投。
さっきと同じようにややゆっくりとウキが沈む、付け餌はオキアミであるが、この沈み方はクロダイの可能性充分。軽く糸を張ってきいてみると、今までの軽いメジナや小物の感覚とは違ったズッシリとした重みを感じる。軽く合わせたあとのやり取りではクロダイの感覚が伝わってきた。かなり元気だが慌てて強引に寄せる必要はない。竿で溜めてまた竿の向きを変えて魚の動きをできるだけ小範囲にとどめる。水面に姿を見せたのはやはりクロダイであった。
ここのクロダイはいつ見ても奇麗な銀鱗をしている。夏の餌取りの多い中、ちょっとした潮の動きと撒き餌の打ち方やタイミングで釣り上げた獲物は嬉しい限りである。 |