Hさん、YGさん、それと息子のシュウと私の合計4人で５／２、３に釣行した。
今回登場の両名は堤防釣行を主として活動しているが、ある時Hさんが携帯電話でタンクガニの話をしているのを聞いてから釣りの話をするようになり、２ケ月ほど前、彼らを八幡野周辺の地磯に案内して以来今回が2回目の釣行である。

八幡野では見るからに疲れ切った様子で「やっぱり俺たちは堤防だな」等と弱音を吐いていたのでもう二度と私と一緒に行こうとは言わないものと思っていた。ところがこの初釣行は彼らに何かを焚きつけたようで、伊豆周辺の磯をまた案内してもらえませんかと誘いを受けたのだ。聞けば最近の彼らは三浦周辺の磯に通う日々が続いているらしい。

５／２早朝、私のクルマでいつもの場所に向かう、道中クロダイ、メジナ、真鯛のうち一番大きなサイズを釣った人は晩飯をおごってもらえる事にする。またHさんは「今日はノッコミのクロダイを釣るぞ」と宣言していた。磯に着くと、うねりが大きく周辺はサラシで真っ白の状態でこんなに荒れると上手く釣れる気がしない。とは言ってもここまで重い荷物を背負って来たのだから「これから潮は下がるし午後は穏やかになるかも知れないから頑張りましょう」と皆に伝える。最初に釣り出すのはシュウのはずであるが、何と今回の二人がほぼ同時に釣り始める。彼らの釣りへの情熱は尋常では無い。

最初にHさんが手のひら大のメジナを２，３回釣る。その後シュウが４０cm位のヒラスズキを掛けた。サラシが如何に効いているかが皆さんにも想像していただけると思う。私は２匹目のヒラスズキを狙いルアーを１時間程キャストするが無駄な作業に終わる。その後他の３人の様子を確認するが、何も掛かっていない。10時頃私に３０cm位のメジナが来た、これで何とか先輩面はできそうだ。だが海は大荒れでコマセが何処に行くのかが分からないし、浮きが複雑に動きアタリも取れない状況。初めて来てもらった２人には是非釣ってもらいたかったので、うねりの影響が少ない所へ移動してもらう。私は棚を少し浅くしメジナを狙うようにアドバイスをした。直ぐにYGさんが３０cm弱のメジナを上げた。これで安心、Hさんも直ぐにメジナを釣るだろうと思い元の場所に戻ると、彼らの最初の場所には遅れて来た金田さんと、倉富さんが入っていた。

久しぶりに会う金田さん達としばらく話をし、昼食をとっていると、HさんがVサインと共にメジナポイントより戻ってきた。良いサイズのクロダイを上げたとのことである。彼はストリンガーを取りに戻ってきたのだ。私は「ストリンガーはダメ、スカリが良いのに」等と考えながらシュウと共に彼の獲物を見に行く。４４cmの立派な奴だ。ストリンガーを掛け海に放すが、どうも嫌な予感がする。Hさんは「Ｊパパの真鯛のレポート見たよ、ああなったら、またパンツ一丁で海に飛び込んで回収してね」等と言っていた。

夕方になり、彼らのストリンガーが海藻に引っ掛かり魚が回収できない事が分かった。私は「やってしまった。またしてもストリンガーで」と思い、紐を引っ張ると海藻に絡みつき全く動かない、よく見るとクロダイの魚影が確認できる。ここで出た結論は夜に潮が引くので、その時に回収を試みることである。

釣りを再開したが、私はパンツ一丁で海に飛び込み、魚を回収する自分の姿を想像しながら釣っている。暗くなってからは何もアタリが無いまま納竿の時刻になった。急いでストリンガーを確認しに行くと何とかクロダイだけは回収できていた。良かった、どうやらパンツ一丁は回避できたようだ。自分のメジナが回収できなかったYGさんも自分の事のようにクロダイの回収を喜んでおり、何て良い人だとも思ったが、彼もパンツ一丁の恐怖に怯えていたのかもしれない。

５／３も同じ磯に入る。前日の荒れ方が嘘のように穏やかだ。釣りを始めるがどうも食いが良くない。昨日先に帰った金田さんがわざわざ、私の携帯に電話をくれた。昨日の午後あたりから水温が１４度まで低下しているという情報をもらう。条件はかなり渋そうだ。それでも午前１０時頃に私に大物が掛かるが、針から外れバラシてしまう。夜まで粘ったが、夜釣りは前日同様全くアタリ無し。結局この日の4人の釣果はメジナ（最大32cm）、40cmオーバーの良く引いたサンノジ、60cm近い巨ボラ、約25cmのクロソイ等である。

今回は海況に恵まれず、あまり良い結果は出せなかったが、あの悪条件下でHさんが宣言通り見事クロダイを釣ったのはお見事である。帰りの車内で彼は、夕食を用意しておいてと奥さんに連絡していたが、彼は晩飯をおごってもらっていない事に気づいていないようであった。

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