釣った日 2001年6月24日  
釣り人 藤田さん、萩田ガイド、金田
釣った場所 伊豆下田地磯
釣れたさかな クロダイ、口太メジナ、ブダイ、カワハギ、ショウサイフグ、フエフキダイ他
レポート 金田&萩田 
今回は「いつまでたっても磯釣りが上達しない」とお悩みのお客様をご案内しての講習会です。
この方も道具は十二分に揃ってらっしゃるのですが、いつもの
パーターン以外の釣り方がなされていないようなので、いくつかの攻め方で講習開始。

いろいろと試していると足裏サイズのメジナをゲットしたりして、
なかなか調子が上がってきた。
その後お昼の干潮時には釣果が期待薄なので、一旦いつもの温泉休憩へ。お客様は温泉好きな方で、たいそうご満悦の

様子。1日は短いようで長い。のべつ幕なしに釣りを続けるより出来ればしばらく磯を休め、自分の身体も保養させるくらいの余裕は持ちたいものだ。

さて、後半は16時前から開始。しかし、夕暮れになるほど水温の低下が気になった。当初メジナやブダイもあたってはいたが、17時頃には餌取りが殆どいなくなってしまった。
海水温と魚の活性は当然相関関係にあり、水温の高いほうが活性が高い。しかしそこには大型魚と共に小型魚(いわゆる餌取り)が当然出現する。小型魚も遊ぶにはそこそこ楽しいが、そのうち飽きてくる。当然狙いは大型魚であって釣方もそうでなければならない。
この場合水温低下で餌取りが少ないので、逆に大型魚を狙えるチャンスと見るのは至極当然なのだが、人の心理は比較的そうではない。今まで小型魚が食っていたのに、その姿も感触も無くなると
それイコール釣れないと考えてしまうのだ。
自然を相手にする磯釣りとは釣れないから釣りなので、例え大型魚がいつも入れ食いであっても、おそらく飽きてくるだろう。
今まで居た小型魚がいなくなった時、また針に付けた餌が冷たくなって回収された時は、ひとつのチャンスと見ていいと思います。冷水温という逆境はあっても、いかにして大型魚の存在を想定して
攻めつづけるかが磯釣りの醍醐味なのです。そして自分なりの想定、思考、想像した釣り方の延長上に結果が付いてくれば、それは単に釣れたのではなく、じぶんで釣ったということになるのです。

さて、3人がこの夕マズメに狙う獲物は大型メジナかそれとも...
私の場合比較的根のきつい潮の流れのあるところが釣り場のポイントでしたので、かなり沖も含めていろんなタナや仕掛けで試していたところ、隣の萩田氏が少し前の大型ブダイに続いてほぼ同じポイントで大きく竿を曲げている。比較的すんなり浮かせたのだが、その後数回の強い突っ込みは
大型魚の特徴で、その後無難に水面へ。一瞬また真鯛の良型かと思ったが、タイはタイでもクロダイであった。サイズはほぼ50cm弱のクロダイでは大型である。
彼の今回の釣方はポイント作りではなかっただろうか。私のポイントとは違って比較的潮が弛んでいる場所で、尚且つ大きい根の際でほぼ底に近い仕掛けで掛けた1匹であった。

急な水温低下の中、潮の緩みで掛けたあたりはさすがと言うべきであろう。相変わらず大型ゲッターの愛称は不動のものであろうか。
結局、私の夕マズメはメジナもクロダイもイサキも出ないまま終了となった。


海の中の魚の定説はあるだろうが、磯釣りというスポーツに定説はあってないようなものである。そこにはいかなる条件の中でも、あきらめずにチャレンジする集中力と忍耐力が自分で狙った獲物の獲得という喜びをもたらし、人と大自然との新鮮で生き生きとしたゲームが存在する。

釣り上げた魚はリリースするか食すかのいずれかである。このクロダイ場合、萩田ガイドがお客様にお持ちいただき、食べていただくこととなった。

人の知恵と経験と自然の豊かな恵みの恩恵がこのスポーツの醍醐味である。

 

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