釣った日 2002年03月01日 (1日目) 
 釣った人 浅島、金田
釣った場所 八丈島地磯
釣れたさかな オナガメジナ、ダツ他
レポート 金田

今回は東京からほぼ300km南の八丈島へ。太平洋岸を南西から北東へ流れる黒潮の帯をさらに飛び越えた海水温19度台の荒磯である。
大きな期待と共に朝一番のジェットだが飛行時間はたったの約30分。チェックインから出発までの時間の方が長い。(笑) そして8時30分に八丈島へ到着。今回の宿泊から磯への案内等でお世話になるパパズインのパパが出迎えてくれた。

パパズインは空港から4分の近さで、早速磯への準備に取りかかる。餌の仕入れも含め準備は15分で完了。パパの先導車を追うようにパパのお薦めの地磯へ約15分。だが初めての地磯は要注意。そこはパパが丁寧に安全性(というより危険性)について

のレクチャーをしてくれる。これは心して聞かねばならない。そこはクニノミチ(右下写真の左)を真中に両サイドにも好ポイントを成している磯だが、ここで亡くなられた方々の慰霊仏が3体。太平洋の荒磯は決して甘く見てはいけないのだ。合掌の後、パパの激励を受けたあと別れ、いよいよ2人だけで磯へと入る。
当初西よりの風だったので一番東よりのシャナという磯へ入る(左

下写真の右端)が、ウネリもありサラシも大きい。撒き餌の動きは本流の動きというよりサラシの影響を受けて流れる。それが本流まで届けばいいのだが、ここは左に沖に長く伸びるクニノミチという磯があり本流の影響は薄いことと、足元からのサラシではないこと、反対からの風が

そこそこあるためそれは望めない。しかしいかにも酸素がたっぷりで何が来てもおかしくなさそうな雰囲気だ。
だが、釣り開始草々にダツが食ってしまった。そしてその後はダツのオンパレード。1泊2日の釣行はこんな事態で始まったがなぜか2人には笑顔が耐えない。それは初めて出会う磯への大いなる期待感が圧倒していたからであろう。そしてダツのいないところを作ろうにも沖はまず無理と判断。磯際かクニノミチとの間のワンドを攻める。そういったポイントをいくつか作っては仕掛けを竿1本から2本あたりまで探っていった。仕掛けがゆっくり落ちて行くことが楽しかった。(笑) 正体不明の餌取りはいるもののメジナの気配は充分なのだ。
そうこうしているうちに浅島氏の竿がダツとは異なる曲がりを見せた。30cmほどのオナガメジナである。八丈島での初物に2人してニンマリ。 2日間釣行の出だしとしては決して悪くはない。また、気持ちのゆとりも加わって、この素晴らしくスケールの大きな磯で、のんびりとかつ可能性溢れる時間が流れた。

ダツの攻撃もかわせるようになった頃、私にもアタリが来た。同じようなオナガメジナである。
だが、その後4連続のバラシを演じる事となる。今回試してみたかった1つに、日の高いうちは八丈で誰が見てもおかしいと言わせる2.5号ハリスで望むことがあった。それが見事にあさはかなことであるという体験をして見たかったのも事実。もちろん腕

の未熟さも手伝って、見事なバラシを体験した事は、私の貴重な釣り人生の1ページともなった。しかし、このアホなオッサンは懲りずにそのままの仕掛けスタイルで40cmギリギリのオナガをゲット。(笑) 
さて、磯案内のパパはこの日の風向き予想を西から後東への変化と読んでいた。それは見事に正解で徐々に東がきつくなり、比較的高いシャナの磯も安全ではない雰囲気であり、パパに教わった通り

にクニノミチの西側に位置するメカタの左付け根へ移動する。

この日のここの広い磯は2人で貸切。真中のクニノミチを攻めても良かったのだが、だらだらと沖へ傾斜する磯は、この荒れ方では非常に危険なのだ。そしてメカタの付け根というやや奥まったいかにも潮の効かなそうなポイントで、安全第一に夕マズメを迎えることととなる。

メカタに移ったのが午後3時半頃、比較的おとなしいポイントであるが、夕マズメへの期待を胸に2人は暗黙の了解のように撒き餌を打ち続ける。だが当初目立ったあたりはなし。だが上げ潮と共にそのポイントは徐々にサラシの影響を受け始め、様相は一変した。浅島氏の竿が気持ちよく曲がっている。40cmクラスの中に本日の最大の45cmをゲット。私も同じく竿を曲げるがまた40cmに僅かに届かない型ばかり。その後右真横から低い磯を乗り越えた波が大ザラシを作り出し、逆にサラシ下の潮が右へ押されている状態となった時、右よりのサラシが出る位置から最も左よりの位置へ移動した。それは右からの気まぐれなサラシへの仕掛け投入ではなしに、左か

らの下潮に馴染む形で仕掛けを馴染ませる。そして落ちきるかどうかの瞬間に、ゆっくりとウキがしもっていった。道糸を張って軽く合わせると大物の感触、慌てず角度を保ちながら様子をみた。一度真下へ突っ込まれるが、この時点でメジナの感触濃厚と判断。だが次の瞬間相手に猛烈な力で右斜め前の根へ一直線に走られる。この際のラインは道糸5号ハリス4号であったが、思い切って突っ込みを止めた瞬間にあえなくハリス切れ。針からやや

上の部分でスパッと切られていた。残念だが、大型のオナガという推測は間違いではないであろう。これが本日5回目で最大のバラシ。4時50分。(笑)
宿へ戻ってパパ曰く、「決して5号以下で臨んではいけない」との忠告をありがたく頂戴しました。

この日の海や磯の変化は、地磯とは言え八丈島ならではのダイナミックさであったこと。そんな

中、いかなるポイントでも一度磯が荒れ始めると、静かな磯際であろうと小さなワンドの中であろうと、とてつもない獲物が食ってくることを体験できただけでも嬉しくなってくる。それが正直な気持ちなのです。

5時15分この日は終了。明日への希望を膨らませながら、満足のいくスケールの大きな初めての八丈島であったことは言う

までもありません。

パパズインへ戻り、パパ自慢の美味しい手料理を頂きながら、ママやユキちゃんも交え、3時間ほど飾り気のない会話がその日の疲れを癒してくれたのもありがたかった。(写真は八丈島の勝新ならぬパパ)
パパ曰く「自然を楽しむという事は自然の危険を知ることから始まる」
とてもやさしい親父なのです。(八丈島パパズインのページはこちら

 

戻る 私の釣果一覧 次へ