釣った日 2003年04月20日  
 釣った人 金田
釣った場所 伊豆下田地磯
釣れたさかな クロダイ52cm、イシダイ38cm、サメ、フグ、ササノハベラ
レポート 金田

「明日は朝から雨、1日中降り続くでしょう」との天気予報だったが、他の天気予報の中で、「明日の予報は難しい」とも言っていたのをきっかけに、行く気になった。低気圧接近は事実だが、その低気圧だって一律ではない。あとは低気圧の通過位置やスピードなどを出来るだけ素人判断だが自己責任の上で判断することもある。やや北に偏った雲域に期待して、一路伊豆へ。夜中の1時に現地着。案の定予報とは全く違って、風は穏やか。こうなると今後風が強くなることも考えての磯へ入ろうとするが、海のウネリは高かった。夜中ということもあるので、ここは安全な磯へ変更。予報が悪かったので、磯は誰も居ない。久々の夜釣り単独釣行で、かつて磯釣を始めた頃を思い出す。明るくなってから中国の難民船が目の前に漂着していたのにびっくりしたり、潮騒しか聞こえないはずなのに、絶えず後ろを気にしたり、自分でも「よくやるよなぁ」という思いが蘇ります。(笑) しかしここは自分だけの海なのです。
3号インナー竿に2号のPEライン、ハリスは4号と安心設計だが、狙いは化け物。そろそろそんな季節になろうとしているのだが、そんなに上手くは捕らえられない。しかし、アタリは頻繁に出た。ゴンズイもどきのベラからサメの赤ちゃんまで、当初から海に活気がある。真冬の海と比べれば、かなり可能性を秘めた釣り出しだった。しばらくしてウキがゆっくりとしかも深く沈む。ついに早速(笑)来たかと合わせる、が、なぜか空振り。それも高切れでウキさえも回収できないずに「あれぇ〜、なんでぇ〜」というため息に変わる。嘆いても仕方がない、チェックが甘かったか。PEということで多少の過信があったのは事実。気を取り直して仕掛けを作り直すが、その後の海は何も来ない状態へ変貌。ただ、流した電気ウキが潮の流れをしっかり教えてくれたことが唯一の収穫。(笑)
4時頃になって眠くなったので洞窟で1時間仮眠。空がしら〜っとしてきた頃に今度は潮の効いているポイントへ入る。良型メジナも想定して、ウキを潮に乗せて流す。大潮直後の中潮で満潮時も近く、更にウネリも大きく潮も効いている海は、まるで沖磯をしのぐ雰囲気をかもし出している。早朝の大好きなこの雰囲気なのだが、このポイントでの記録はいつも雰囲気だけに終わっているのだ(笑)。ウキ下は約3ヒロ。数回流した後、50m程先でややウキに変化が出る。この時のラインは綺麗に流れに乗っており、自分の立ち位置もウキと流れに比較的直線に対応しており、またゆるい風は流れと逆で理想的。磯の環境の中でこんなベストマッチはそれほどはない。少し張り気味にした瞬間ひったくるように食ってきた。だがまたまた逆転リールのストッパーが効いたままで、竿もラインものされたまま。こんな時の伸びのないPEは辛い。(笑) 瞬間にストッパーを外しなんとかやり取りに入る。でかくてパワーも充分伝わってくる。でもこちらのタックルもパワフル仕様。あとは腕次第か(笑)と弱気にならずしっかりと溜めに入る。竿尻の先はすでに自分より前を向いている。首の振り方で鯛系の雰囲気は充分。あとは色か?と感じていたがあまりにも力が強い。この硬い3号竿がどれだけ曲がるかを試す良いチャンスだが、溜めた後、リールも巻けない程の瞬間もあり、これはいよいよピンク色かな?との予感も。ちょうどその時二人の釣り人が近くに入ってきた。「ここでバラされせへんでぇ、でもあまり見ないで!」とばかり、やや慎重に(笑)寄せようとするが、立場と魚の間にややこしい根が存在する。やはり無理に寄せるよりは持久戦かと思った瞬間、魚は右へ走った。そこは更に複雑なエグレを呈している生え根なのだ。右へ竿を持っていきたいのだが、生え根が気になって竿の勢いが悪い(笑)。ここはポンピングしかないと判断してやや強引になんと

か生え根もクリアした。この磯でかつて何回の化け物バラシがあっただろう(笑)。しかし今回はなんとか足元まで寄せることが出来た。後は正体だけでも見なくてはと浮かせにかかる。すでに空はかなり明るく、水中1メートルで確認した魚体は黒いクロダイであった。やや落胆の気配は隠せないが、1回目のタモ入れに失敗。魚はまだ余力を振り絞って下へ突っ込んでいった。落胆の気持ちを振り払って、魚に敬意を払いながら、2回目でなんとか無事に収まってくれた。

 

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