釣った日 2002年04月06日  
 釣った人 渡辺兄弟、金田
釣った場所 相模湾の堤防
釣れたさかな クロダイ、メジナ、メバル
レポート 金田
今週末も親子釣り教室だが、今回のご参加は子供のみ。以前から面識のある中2と小5の子供達なのでこちらも手厳しく迫る。(笑)
朝6時発だが案外と車が多く、餌と昼食を仕入れ、堤防に付いたのは8時を回っていた。
海の表面は静かだがウネリは大きく、時折砂地を巻き上げる程の
大波が来る。「もし落ちたら、頑張ってこっちへ泳ぐように」というと、小5のユウマは「オレ泳げないよぉ」「大丈夫!君なら絶対浮くから」と、励ましと言うか脅しと言うか「海を甘く見てはいけない」ことをまずは諭す。しかしまずは腹ごしらえの朝飯。(笑)さっき買って来たサンド

イッチを食べるかそれとも朝お母さんに握ってもらったオニギリを食べるかそれが問題だ。しばらく二人して互いの食べ物をチェックした後、仲良く分け合って食べていた。なかなかいい兄弟だ。

さて二人とも少しは竿を持ったことはあっても長い磯竿は初めて。しかし柔道の鍛錬と彼らの釣りセンスも手伝ってか無理のないキャスティングから始まった。撒き餌をしばらく打ち続けると、木っ端メジナがワンサカ湧いてくる。だが二人の竿は曲がらない。針掛かりする前に餌を取られてしまうのだ。だがそれも学習の1つ。なぜ釣れない

かを自分で体験し自分で試行錯誤を重ねなければ向上はしない。ウキはアタリの目安でもあるが竿と針の間の支点でもある。いかに魚が針をくわえた時にウキにその力が働きやすいかを設定しなければならない。つまりウキが着水した直後から木っ端メジナは餌に向って突進してくるのでウキから下の仕掛けをその前に伸ばしておかねばならないのだ。
時折ウネリが入り、港の中もその影響で潮が出たり入ったりと動きが大きい。サラシも影響してなかなか道糸のコントロールもままならない。
やや沖で勝負をしていたお兄ちゃんにようやくアタリがあった、でもメジナは針に掛からない。ほとんどの場合道糸が出すぎていて合わせが遅いのだ。そうかといってウキをむやみに引っ張ってはいけない。そうこうしている内にようやくヒット。右写真はその内の最も型のいいメジナでほぼ20cm。
お兄ちゃんも自慢げに弟へ見せびらかす。すると弟はナニクソと思うのだろうが、それよりこの魚をいかに生かして保存するかが重要な問題らしい。お兄ちゃんは黙々と釣りつづけ、弟はしきりに水の入った獲物バケツが気になる。トータル10匹以上は釣ったのだが、その
ほとんどはリリース。しかしその都度弟の許可が必要なのだ。(笑)
そして弟は釣り3分、食べ物飲み物3分、バケツ3分と狭い堤防だが、お昼過ぎまで楽しんだ。
その弟にも小メジナやメバルを釣り上げる。メバルはフリーのゼロウキ使用で釣ったもの。

途中磯釣りガイド仲間の佐山氏が見学に出現。これからどこへ行こうかと思案中に私を見つけたようだ。久しぶりだったのでしばらく子供達そっちのけで話をしていたが、彼は網代方面へと出かけて
いった。
そしてその直後からメジナが浮いてこなくなった。
しばらく子供達に昼御飯タイムを促し、私が海の様子を伺うと上から底までメジナが消えている。その代りフグらしき餌取り参上。見事に海の魚が入れ替わったかのように、時にはまるまる付け餌が残ってくる。子供達の再開後もお兄ちゃんの餌が残る。こういった海の変化はよくある事だが、そんな時は大型のチャンスと考えねばならない。
そうなんです、今はクロダイのノッコミ(産卵期)の時期。多くの餌取りがいなくなればチャンスは大きく広がる。そして私も釣りに入って水道の真中を集中的に底まで探る。時折船の出入りがあるものの、魚はそんなことには影響されない。船には針が付いていないからだ。
そしてそれから数等目に撒き餌と仕掛けが上手く馴染んだと思った直後にウキが少し押さえ込まれる。軽く張ると綺麗にウキが入っていった。さてモノはなんなのだろうとやり取りを始めると、なかなかの力の持ち主。そしてあの独特な頭を振るしぐさが伝わる。ハリスは1.5号。力もあるのでしばし糸を出したり止めたり。感覚からして50cm近くはあるかと思わせるのだが、問題は足元の道具類や子供達の糸。
やり取りを続けながら子供達の仕掛け回収と片付けの指示。そんな中にも竿の立て方や糸の巻き取り方を伝授。(笑)子供達も静かに見守ってくれた。しばらくして魚体が水中に見えた時お兄ちゃんが「マダイだ!」と叫ぶ。いつも食べているのは同じ形のマダイなのだが、クロダイは普段あまり食べないよね。お兄ちゃんがタモを持ってきてくれたので、簡単にタモ入れ終了。この日に新調したタモ枠が役に立った。(笑)
上げてみると50cm枠ちょうどの大きさでデップリと太っている。やはりノッコミですね。
さて、子供達にも釣り意欲が高まる。しかし、その頃から他の釣り人も多くなり、ここはこの時点で終了とした。
近場の堤防でのマナーは決してよくない。割り込みや糸がらみは絶えずある。ましてやこんな獲物を堤防に野放しにしていると我先にと割り込んできて黒山の○だかり状態。そんな中で子供達に余裕を持たせて釣らせる力量は私にはない。
今度はもっと広い磯へ行ってみようと子供達をなだめて帰路についた。
車の中でお兄ちゃんが「あんなデカイの釣ってみたかったけどオレには無理だなぁ」と正直に言ってくれた。しかし「そんなことないよ、お
兄ちゃんにもきっとできるよ」とたしなめた。
二人は10分もしないうちにぐっすり眠りについてしまった。

 

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